ロシア主導の軍事同盟 首脳会議始まる 欧米をけん制か

ロシアが主導する軍事同盟の首脳会議が、モスクワで始まりました。

ロシアのプーチン大統領としては、ウクライナ情勢をめぐって国際社会で孤立を深めるなか、加盟国の結束をアピールし、欧米をけん制するねらいがあるとみられます。

ロシアが主導する軍事同盟のCSTO=集団安全保障条約機構は、条約が初めて調印されてからことしで30年となり、これにあわせた首脳会議が16日、ロシアの首都モスクワで始まりました。

会議には、ロシアをはじめ、旧ソビエトのベラルーシ、カザフスタン、タジキスタン、キルギス、それにアルメニアの、6か国の首脳が全員出席しています。
プーチン大統領は首脳会議の冒頭で演説し「われわれがモスクワに集まったのは条約が結ばれて30年たったからだ。この組織は、ポスト・ソビエトの世界で、安定化という非常に重要な役割をになっている。この地域の情勢に対して、われわれの能力と影響力がますます高まることを願う」と述べ、加盟国の結束を確認するとともに、今後も同盟としての影響力を拡大したい考えを強調しました。
またベラルーシのルカシェンコ大統領は「西側が、ベラルーシやロシアに対して全面的なハイブリッド攻撃を仕掛けている。ロシアを最大限に弱体化させるため、ウクライナでの紛争を長引かせようとしている」と欧米を批判しました。

CSTOの首脳会議が開かれるのは、ことし2月、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから初めてです。

ロシアに対する欧米の制裁が強まり、国際社会で孤立を深める中、プーチン大統領としては、加盟国の結束をアピールし、欧米をけん制するねらいがあるとみられます。